鼻づまり(鼻閉)は鼻中隔彎曲症、肥厚性鼻炎、アレルギー鼻炎、副鼻腔炎(鼻茸)などでおこりますが、原因に応じた治療が必要になります。今回は代表的な外来手術を二つご紹介します。

鼻粘膜焼灼術(びねんまくしょうしゃくじゅつ)

スギ花粉症などのアレルギー性鼻炎は、くしゃみ・鼻水・鼻づまりを起こします。治療方法には薬物方法と手術療法があります。

薬物療法では抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤などの内服と点鼻薬が用いられますが、症状が改善しない場合、眠気などの副作用がある場合、またダニやハウスダストなどのなどの通年性なアレルギー性鼻炎では、手術療法が有効です。

手術療法には鼻の粘膜を

  • 切除する方法
  • レーザー・高周波で焼灼する方法
  • 化学剤(トリクロール酢酸)で焼灼する方法

があります。
粘膜切除は通常、入院が必要になりますが、焼灼する方法であれば通院治療が可能です。

当院では、レーザーや高周波を用いた治療を行っています。

鼻粘膜の豹変を麻酔薬のついたガーゼで約20分程度麻酔した後、レーザーや高周波で焼灼するか、トリクロール酢酸を塗布し焼灼します。いずれの方法も出血は無く、痛みもほとんどありません。30分程度で終了します。

1〜2週間は焼灼による粘膜の腫れ、かさぶたの付着で鼻づまりがきつくなりますが、その後改善され、くしゃみや鼻水も出なくなります。

粘膜の腫れがひどい場合には、この処置を何度か行うことで効果が期待できます。
※当院はレーザーや高周波で焼灼する方法です。ご希望の方は診察前に受付窓口へご相談下さい。(治療は予約制)

内視鏡下鼻茸切除術

鼻茸を伴う副鼻腔炎や慢性副鼻腔炎は内服薬で鼻汁が減少しても、鼻づまりは改善しにくいものです。

副鼻腔の炎症を完全に取り除くには入院しての手術が必要になりますが、鼻茸を切除するだけでも鼻づまりは解消できます。

「デブリッター」という機械を用いて鼻茸を削る手術であれば、通院での治療が可能です。鼻の中をスプレーやガーゼで十分麻酔した後、内視鏡モニターで観察しながら鼻茸を削ります。

鼻茸そのものを削る際には痛みは無く、付け根に近づくと多少感じる程度です。術後は2〜3日、止血のためのガーゼを挿入しておきます。

このように、ある程度の鼻の手術は外来通院、保険適用で可能になっています。もちろん、鼻中隔の彎曲が高度の場合や副鼻腔の炎症がひどい場合には、より完全な手術が必要になります。
入院での手術治療もご紹介しておりますので、一度ご相談下さい。